中央図書館 大人のためのおはなし会 第23回 2018年12月
2018年12月21日(金)は、世田谷区立中央図書館 大人のためのおはなし会 第23回でした。
青空の美しい、気持ちよく晴れたお天気の中、年の瀬にもかかわらず14名の方々が訪れてくださいました。中には、電車を乗り継いで川越からもお出でくださったお二人もいらっしゃいました。
始まりのマイヤース景子先生のおはなしは、世界の大晦日の過ごし方でした。日本では細く長い人生を送るために年越しそばを食べますが、海外では、お金の形に似ているレンズ豆を食べる所(イタリア、ブラジル)や、やはりお金の形に似せて作ったトウモロコシのパンを食べる所、心臓の血の色で、子宝に恵まれるご利益のあるザクロを食べる所等様々で、過ごし方としては、新年が明けた時に花火を催す所が多いそうです。ところ変われば、それぞれ過ごし方や食べる物も変わってくるものですね。
おはなし『かさじぞう』は、有名な日本のむかしばなし。雪の深いひっそりした所に住んでいるおじいさん、おばあさんのつつましさや、優しさが心に沁みるおはなしでした。
『十二の月のおくりもの』は、冬の寒い日に、いちごやりんごを持って来いと、いじわるな娘とその母親にいじめられる美しい娘のおはなし。雪深い森の中でたき火をしている12の月の精の姿が目に浮かぶ、美しい情景が印象的なおはなしでした。
『子うさぎましろのお話』は、サンタさんから、もっとプレゼントをもらいたかった、ちょっとやんちゃな子うさぎのおはなし。サンタさんから、うまくプレゼントを2回もらえた子うさぎは、意気揚々と帰るのですが、このままではお家に入れないことに気づき…!一生懸命なましろに思わず共感してしまうおはなしでした。
休憩の後は手遊びで、クリスマスツリーの飾りつけをしました。「粉雪~、ほわっ~!」のところを特に、皆様感情こめてやってくださり、とっても美しいツリーができたと感じました。
おはなし『賢者のおくりもの』は、若くて貧しい夫婦が、それぞれ一番大事にしているものを売って、お互い、その売ってしまったものに合うものをプレゼントしてしまうというおはなし。相手を思うが故の出来事に、二人の絆がさらに深まります。おくりものをする時は、こうありたいものです。
『海の水はなぜからい』は、ノルウェーの昔話。お兄さんに「地獄に行け」と言われて素直に地獄に行き、そこでもらってきた石臼は、何でも出してくれる優れもの。一時お兄さんに取り上げられるも、使い方を間違えてまた弟に戻ってきます。賢い弟は、上手く使って大金持ちになりますが、それを買った船長は...!類似話はよくありますが、このノルウェーのおはなしは、お兄さんに「地獄に行け」と言われた日が、クリスマスイヴだったという、クリスマスの時期のおはなし。とてもユーモラスで楽しいおはなしでした。
今年最後の『大人のためのおはなし会』、楽しんでいただけましたでしょうか?
また来年も、皆様とご一緒におはなしの世界を旅していきたいと思っております。どうぞ皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
☆プログラム☆
テーマ:クリスマス・年の瀬
かさじぞう -日本の昔話-
同名絵本 瀬田貞二再話 赤羽末吉画 福音館書店
十二のつきのおくりもの -スロバキアの昔話-
「おはなしのろうそく2」 内田莉沙子訳 東京子ども図書館
子うさぎましろのお話 -創作-
同名絵本 ささきたつぶん みよしせきや絵 ポプラ社
-休憩-
♪手遊び 「メリークリスマス」
賢者のおくりもの -創作-
同名絵本 オー・ヘンリー原作 いもとようこ文絵 ポプラ社
海の水はなぜからい -ノルウェーの昔話-
「おはなしのろうそく23」 伊藤悦子訳 東京子ども図書館
次回は2019年2月15日(金)の予定です。