大人のためのおはなし会 第23回 2019年1月
2019年1月18日(金)は、玉川ボランティアビューローにて、「大人のためのおはなし会 第23回」でした。
空気がキリっと澄み渡る晴天の中、お2人がいらしてくださいました。
始まりのマイヤース景子先生のおはなしは、今年最初の旅行でいらしたカンボジアのおはなしでした。
アンコールワットの他にも沢山の遺跡があり、ジャングルを分け入り、たくさんの美しい仏像を見てこられたそうです。旅の目的の1つの「東洋のモナリザ」の女神はほほ笑みをたたえ、優雅に佇んでおられました。そのほほ笑みの「笑」は、たけかんむりの部分が「両手を上に上げている」のを表していて、その下の部分は、女神が身をくねらせているような形を表している為、女神が踊って、神様を喜ばせるという意味があるそうです。正にアンコールワットの女神たちその物です。「咲」という漢字も、「口」と「天」があることから、同じように神さまを喜ばせるという意味があるそうです。遺跡の近くには、まだ、地雷が残っている場所もあり、戦争の傷跡はなかなか消すことができないと実感されたそうです。神様に喜んでいただく為に、これからは世界のどこにでも、争いの起きないことを願うばかりです。
最初のおはなし『ねずみじょうど』は、「おはなしたまごの会」、期待の新人の「大人のためのおはなし会」デビューでした!初めてのとは、思えないほど落ち着いた話し運びで、可愛いネズミ達や、いいお爺さん、目腐れじいさんが目に浮かんできて、とても楽しくおはなしを味わえました。
『年こしのたき火』は、最初の部分は『かさじぞう』に似ているのですが途中から『びんぼうこびと』のようになる、1つで2度おいしいおはなし!しみじみと、けれど最後は心も身体もあったまる、寒い日にはぴったりのおはなしでした。
『見るなの花座敷』は、美しい娘さんから目が離せなくなって、後を追っていくと山の中に入ってしまい、迷ったところにあったお家が、お目当ての娘さんの家で、一緒に暮らし始めるも見てはいけない座敷を見てしまい...。1月から12月の座敷の描写が美しく、不思議な世界に引き込まれ、せつない余韻が何とも言えない、聴きごたえのあるおはなしでした。
休憩をはさんで、♪わらべ歌「雨こんこん 雪こんこん」を始めようとしたところへ、「生活実習所」の方々と引率の先生たち12名程が、お散歩の途中に飛び込み参加してくださいました。♪わらべ歌は、歌いながら手の振り付けもしましたが、皆さん上手にやってくれました。それに気を良くして、輪唱もしましたが、皆さんとっても上手に、楽しんで歌ってくれました!
おはなし『子どものすきな神さま』は、子どもが好き過ぎる神様が、子ども達と一緒に遊んでしまったら、子ども達にばれてしまい、必死に逃げるのですが、赤い靴を忘れてしまい・・・。新実南吉の、ほのぼのとして暖かい気持ちになれる、素敵なおはなしでした。
来てくださった方々の雰囲気を見て、マイヤース景子先生が、急遽おはなしを変更して『ウサギとカメ』のわらべ歌を肩を叩きながら歌い、それから、『その後のウサギとカメ』のおはなしをしました。
駆け比べをして、カメに負けてしまったウサギは、ウサギ村から「お前のような恥知らずは、村においてはおけない!」と追い出されてしまいました。オオカミがウサギ村に、子ウサギ3匹を差し出すように言いつけると、村中が大騒ぎに。そこへ、追い出されたカメに負けたウサギがやってきて、知恵を使ってオオカミをやっつけ、ウサギ村に戻してもらえたというおはなし。良く知っているおはなしの、その後という、とっても楽しいおはなし。ウサギ村に戻れて皆さんホッとした様子でした。
『だめといわれてひっこむな』は、おばあさんが編み物をしているところへ子ネズミが現れて、何を作っているか聞きます。おじいさんのセーターをおばあさんが着て、おばあさんのジャケットを犬の敷物にして...と、何回も子ネズミが出てきてはおばあさんに聞いてくるところが、とても愛らしく、優しいおばあさんにも気持ちがほっこりして、いい気持ちになりました。
♪「たまごをぽーん」は、皆さん、喜んで卵を割ってくださり、お料理名を当てました。ホットケーキの答えの早いこと。笑顔が弾ける「おはなし会」になりました。
北区からわざわざ「りこうなおきさき」-ルーマニアの昔話ーを聞きにお出での方には、急きょプログラムを変更してしまい、申し訳ないことでした。またの機会にまたお出でいただきたいと思います。
今年最初の『大人のおはなし会』、たくさんの方に参加いただき、順調に滑り出すことができました!今年も素敵なおはなしを少しでも多く、皆様に届けることが出来たら嬉しいです。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
☆プログラム☆
ねずみじょうど -日本の昔話-
「おはなしのろうそく3」 瀬田貞二再話 東京子ども図書館
年こしのたき火 -日本の昔話-
「日本のむかしばなし」 瀬田貞二文 のら書店
見るなの花座敷 -日本の昔話―
「読んであげたいおはなし-松谷みよ子の民話-上」 松谷みよ子著 筑摩書房
-休憩-
♪わらべ歌「雨こんこん 雪こんこん」
子どものすきな神さま -創作-
「新美南吉童話集1」 新美南吉著 大日本図書
♪唱歌&肩たたき「うさぎとかめ」
石原 和三郎作詞 納所弁次郎作曲
亀に負けた兎 -日本の昔話-
「昔話十二か月一月の巻」(講談社文庫) 松谷みよ子編 講談社
だめといわれてひっこむな -創作-
「 「おはなしのろうそく9 」アルフ・プロイセン作 瀬田貞二訳 東京子ども図書館
♪手遊び歌「たまごをぽーん」