大人のためのおはなし会 第27回 2020年9月
2020年9月18日(金)は、玉川ボランティアビューローでの「おはなしたまごの会 大人のためのおはなし会 第27回」でした。2月末からコロナ禍が始まり、私たち「おはなしたまごの会」の活動も休止しました。
今回は、玉川ボランティアビューローが、8月から再開して、お部屋を使わせていただけることになり、今年1月からの8ヵ月ぶりの「大人のためのおはなし会」を開くことができました。。
2部屋の仕切りを取り払った大部屋でしたが、定員18名とさせていただき、風通しを良くし、除菌をして、三密にならないようお席を配置し安全を期しました。語り手は、マスクかマウスシールドを着用して語りました。そんな中、4人の方々にご参加いただきました。会員は10名でしたので、定員18名以上にならずに済みました。
マイヤース景子がご挨拶をしました。今まで、「当たり前」にしてきたことが、このコロナ禍で多くのことが、「当たり前」に出来なくなりました。外出することも、友人・家族に会うことも、色々な活動も難しくなりました。
「当たり前」とは、当然から派生した言葉で、当をあたりと読み、然を同音の前を当て、「当たり前」としたという説と、一人当たりの分け前の意味で、当然もらうべきものは「当たり前」の二通りの解釈があるそうです。
その「当たり前」の反対語は、何でしょうか? 「有難い」→「ありがとう」です。「有ることが難しい」→「稀なること」→「奇跡」とも言えるのではないでしょうか?
当たり前のことが出来ない今、当たり前に出来ていたことに感謝し、こうして、「おはなし会」が出来ることに感謝して、「おはなし会」を始めたいと思います。
「い」のはなしは、「い」が飛んで行って、色んな物にくっつきました。海に行って、「るか」にくっつくと、「いるか」に。野に行くと「ラオン」が「ライオン」に。「いいよ」になったり、「あい」になったり、音遊びの楽しい「おはなし」でした。
「団子むこ」は、美味しい団子を食べた夫が、家への途中で、「どっこいしょ」になり、おかみさんに作ってくれと願うが、理解されず、ぽかりとたたくと、おかみさんの頭に「おだんご」のようなこぶが出来て・・・。
「ふしぎな胡弓」は、兄弟のように仲の良かった兄は、鳥にさらわれた姫を助けた弟を裏切り、姫のお城に。弟は、困難を乗り越え、「ふしぎな胡弓」を手に入れ、お城で胡弓を弾くと、姫に会うことが出来、めでたく王になり、兄は隣国に逃亡し、戦争を仕掛けて来るが、胡弓の音色は、人々を穏やかにし、戦意喪失で、平和な国々になった。ベトナムの不思議なおはなし。
「證城寺の狸ばやし」は、千葉県、木更津の證誠寺に伝わる伝説。そのお寺の和尚さんと狸が腹鼓を競い、腹の破けた狸を「たぬき塚」を建てて、弔ったそうです。この寺を訪ねた詩人、野口雨情は、童謡「しょうじょうじのたぬきばやし」のモデルとしたと言うことです。
「ミアッカどん」は、言うことを聞かない男の子トミーは、お母さんの言うことを聞かずに、通りに出ると、「ミアッカどん」に袋に入れられ、食べられそうになりますが、「ミアッカどん」のおかみさんをだまし逃げ帰ります。再びつかまえられたトミーは、今度もうまく逃げられたでしょうか?
「蛙の坊様」は、福島弁で、「げえるのぼさま」と語られました。
蓮池の蓮は、不思議な蓮で、その日にある葬式の数だけ、花を咲かせ、その池に住んでいる「蛙の坊様」は、極楽へ行けるように、お経を読んであげるのです。その日は、七つの蓮の花が咲いていて・・・。
もぐら、雀、鯉、ヤモリ、セミといろいろの動物たちがお経を読んでもらいに来ます。「蛙の坊様」は、みんなにお経を読んであげられたのでしょうか?
久しぶりの「大人のためのおはなし会」を無事に開けて、楽しいおはなしを聞くことが出来ました。
皆さまの楽しそうなお顔に出会えて、当たり前でないことに感謝して、次回にお会いできることを願いました。
☆プログラム☆
「い」のはなし -創作-
「魔法の学校」 大竹麗子作 おはなしかご出版
団子むこ -日本の昔話-
「子どもに語る日本の昔話3」 稲田和子・筒井悦子著 こぐま社
ふしぎな胡弓 -ベトナムの昔話-
「子どもに聞かせる世界の民話」 矢崎源九郎編 実業之日本社
-休憩-
證城寺の狸ばやし -日本の伝説-
「舌切りすずめ」(語りつぎたい日本の昔話7)
小澤昔ばなし大学再話研究会再話 小澤俊夫監修 井上洋介絵 小峰書店
ミアッカどん -イギリスの昔話-
「イギリスとアイルランドの昔話」(福音館文庫)
石井桃子 編・訳 J.D.バトン 画 福音館書店
蛙の坊様 -日本の昔話-
「かたれやまんば第3集」 藤田浩子の語りを聞く会編・出版
次回の「大人のためのおはなし会」は、2021年1月15日(金)予定です。