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中央図書館「大人のためのおはなし会 第45回」2022年12月


 2022年12月16日(金)は、「世田谷区立中央図書館 大人のためのおはなし会 第45回」を「おはなしのへや」で開きました。

 師走のあわただしい中、5名のお客様が来て下さいました。お話のテーマは「クリスマス・年の暮れ・正月」です。

 始めの挨拶は、「今年の漢字」についてでした。「戦」が選ばれましたが、ロシアのウクライナ侵攻、サッカーW杯での日本代表の試合、MLBの大谷翔平選手の活躍、新型コロナ、物価高への対応etc.との理由だそうです。その真逆の「和」では?と淡い希望を持っていましたが、何とも厳しい一文字「戦」が今年の世相を反映してしまいました。

 「戦」では、何とも厳しく寒々しい。これを「挑戦」にして、来年は、「挑戦」年にしたらどうでしょう?

 今年、私たちの「おはなしたまごの会」は、10周年を迎えました。10年間、「おはなし」を多くの人たちに届けたいと挑戦して来ました。来年も、これまで以上に自己への挑戦、世の中への挑戦を続け、もっともっと多くの人たちに「おはなし」を届けたいと願っています。

 最初のおはなしは日本の昔話「たから水」。大晦日の夜、正月の若水を川から汲んでくるように言われた作男。川は遠いし、夜は寒いし。そこで思い付いたのは?田圃の水を汲んできて田からの水、「たから水」とは!思わず笑いが起きた楽しいお話でした。

 続いて石川県の「おおみそかの火」。年越しの囲炉裏の火種は、決して絶やしてはいけないと姑に言われた嫁。消えた火種をもらった代わりに頼まれたのは「死人」の埋葬。厳しいけれど暖かい姑と、素直でけなげな嫁をわ分かりやすく語り、宝に変えてくれた神様に感謝して社をつくるという展開にホッとさせられます。

 「ぶっかけろジャネット」はフランスの昔話。オオカミ撃退の1回目は、夫がおかみさんに掛けた言葉「ぶっかけろジャネット!」。おかみさんはもっていたアツアツのスープをオオカミにかけ、オオカミは大やけど。夫はもみの木の上に追い詰められた時も、たるに閉じ込められた時も、この言葉でも見事に窮地をすり抜けます。おはなしの世界に引き込まれ、思わず一緒に叫びそうです。「ぶっかけろ~!!!」

 一息ついて、♪手遊び「パン屋に一つのメロンパン」。一緒に手遊びを楽しみました。

 「かさじぞう」はおなじみの日本の昔話。雪の中のお地蔵さまの姿や、心のやさしいおじいさんとおばあさんの暮らしぶりが目に浮かびます。

 最後のおはなしは「だれが鐘をならしたか」。長い間鳴ることのなかった教会の鐘をならしたのは、倒れた人を助けた兄の優しさと、兄の気持ちも受けとって勇気をもって一人で教会に行き銀貨を捧げた弟の行動でした。美しく清らかな鐘の音が聞こえてくるようでした。


テーマ:クリスマス・年の暮れ・正月

   

☆プログラム☆


たからの水 -日本の昔話-

「日本の昔話5 -ねずみのもちつき-」

おざわとしお再話 赤羽末吉画 福音館書店


おおみそかの火 -日本の昔話-

「子どもに語る日本の昔話3」

稲田和子・筒井悦子著 こぐま社


ぶっかけろ、ジャネット!-フランスの昔話-

「世界むかし話 フランス・スイス]

八木田宜子訳 ほるぷ出版


♪手遊び「「パン屋に一つのメロンパン」


かさじぞう -日本の昔話-

「子どもに聞かせる日本の民話」

大川悦生著 実業之日本社


だれが鐘をならしたか -創作-

「クリスマス物語集」

オールデン作 中村妙子編訳 偕成社


次回の予定は、2023年2月17日(金)です。


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