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中央図書館大人のためのおはなし会 第47回 2023年4月

 2023年4月21日(金)は、「世田谷区立中央図書館大人のためのおはなし会 第47回」でした。

 コロナの制限も緩和され、以前は定員15名でしたが、12名のお客様がお見えになり、会員も含めると20名以上の参加者になりました。

 今回のテーマ「飛ぶもの(空へ!)」にひかれて参加して下さった飛行機関係のお仕事を長くしていたという方や「モンゴルの昔話~大草原にかたりつがれる~」の本の絵を描かれた方も来て下さり、嬉しい出会いになりました。

 最初のご挨拶では、この時期に満開の「なんじゃもんじゃの木」の紹介がありました。世田谷区の「小泉公園」や「砧公園」で見事に咲き誇っている樹木なのですが、正式名は、木犀(もくせい)科の「ヒトツハタボ(一つ葉タボ)」で、希少樹木と言われているようです。ところが、実は、会員の庭にあることに気が付いたというように、意外と身近なところにもあるかもしれません、と。

 初めのお話しは、「空のおふねや」。アオギリの木は実を飛ばす時に、茶色の葉っぱが船のような形になるそうです。空のお舟乗り場に、ダンゴムシたちと、アオガエルも何かな?と並びます。それからそれぞれ好きな舟に乗り込み、風を待つのです。空のお池へ出発です。アオギリの写真を見せてもらい、舟のイメージがふくらみ、目の前に風に乗った舟の風景が見えてくるようでした。

 モンゴルの昔話「かしこいワシ」は、鳥の国のわがままで気まぐれなおきさきは、生まれたひなの王子に、鳥たちのクチバシでゆりかごを造ろうと言い出します。王さまが命令を出し、ワシは他の鳥たちを救うために知恵をしぼります。謎かけのような深みのあるおはなしに引き込まれます。

 「バローデール村のかっこう」は、イギリスの昔話で、雪ばかりの厳しい冬の終わりを告げる鳥、カッコウのおはなし。1年中が春だったらと、カッコウを閉じ込めておくために、村の周りに高い塀を作る大人たち。推測通りの結末ですが、知りたがり屋の子どもと老人のやり取りに、思わず笑いがこぼれます。

 「ツバメの恩返し」は、色々な類話がありますが、この「足折れツバメ」のお礼は、スイカの種です。翌年ツバメがおじいさんに持ってきた種は大きなスイカになり、中からは大工や木挽きがぞろぞろ現れ、家を建ててくれ、米や味噌などを運んできてくれ・・・というもの。おじいさんと大工の棟梁のやり取りも楽しいおはなしです。

 最後は、ロシアの昔話「わるいがちょう」。おにばばのバーバヤーガの手先のガチョウに、さらわれた弟を助け出す娘のおはなし。娘は、パン焼きかまど、りんごの木、お粥の岸の間のミルクの川、ネズミなどに出会いながら、弟を連れ帰ってきます。ドキドキ、ワクワクがいっぱいのおはなしでした。


テーマ : 飛ぶもの(空へ!)

☆プログラム☆

空のおふねや  -創作-

「森のお店やさん」林原 玉枝文

はらだたけひで絵 アリス館

かしこいワシ -モンゴルの昔話-

「モンゴルのむかし話-大草原に語りつがれる-」

Ch.チメグバータル監修 籾山素子訳・再話

藤原道子絵 PHP研究所

バローデール村のかっこう -イギリスの昔話-

「むかしばなし・イギリスの旅」

アイリーン・コルウェル再話 室の会訳 新読書社

足折れつばめ -日本の昔話-

「したきりすずめ(日本の昔話2)」

おざわとしお再話 赤羽末吉画 福音館書店

わるいがちょう -ロシアの昔話-

「まほうの馬」 A.トルストイ文

高杉一郎、田中恭子訳 岩波書店

次回の予定は、2023年6月16日(金)です。


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