大人のためのおはなし会 第50回 ー冬ー 2026年1月
- mslib2014
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2026年1月16日(金)は、新しい年が明けてから初めての「大人のためのおはなし会」を、玉川ボランテイアビューローで行いました。
少し寒さが和らいだ日で、8名の方がおはなしを聞きに来てくださいました。
今回で、玉川ボランティアビューローでの「大人のためのおはなし会」は、50回目になりました。2013年1月に第1回を開催してから13年経ち、月日の流れを感じる会となりました。
新年を迎えたことと50回の記念もあり おはなしの前におめでたい「花づくし」のわらべ歌を楽しみました。♪「ひとつひらいた福寿草 あーめでたいめでたい」、2つはスミレ、3つはサクラソウと、10まで数えながら歌います。みなさんの♪「あーめでたいめでたい」の合いの手もぴったり息があって、とても楽しい始まりでした。
最初のおはなしは、「ねずみの婿取り」
ねずみの夫婦がやっと恵まれた一人娘にねずみより強いお婿さんを探しに行くおはなし。お日様→曇→風→壁→ねずみと、結局一番強いのはねずみだったというおはなしです。小さいころに聞いたことがある昔話と思いますが、大人になって聞くとまた深く感じます。語り手のほんわかとした話し方も相まって会場はとてもほのぼのとなりました。
2つ目のおはなしは日本の昔話「夢見小僧」。
庄屋の旦那さんからいい初夢にはおあしを出して買ってやると言われた灰坊太郎は、かたくなに何も話さず川に流されてしまいます。そこで出会った河童から”生き針、死に針”をもらいお金持ちのお嬢様二人を生き返らせます。どちらにもぜひ婿になってほしいと言われ、橋の上で灰坊の手のひっぱりあいになりますが かわいそうと手を離したお嬢様には情があると、灰坊は婿に入り幸運を手にいれた、というおはなしです。実はすべてが初夢のとおり、いい夢は人に話すなという教訓になっています。かっぱとの会話やお嬢様が”にゅーん”と生き返るところが面白くて笑顔になる楽しい語りでした。
3つ目はグリムの昔話「森のなかの三人のこびと」です。
継母に雪の日に紙のドレスを着せられ森にイチゴを摘みに行かされた娘は、三人のこびとに会い親切にしたことで3つの贈り物をもらいます。日ごとに美しくなり、口を開いたら金貨が出て、王様の妃になるというものです。イチゴを摘み家に帰ると羨ましくなった継母の娘は毛皮を着て同じように森に行きますが小人たちに親切にしなかったため、日ごとに醜くなる、口をきくたびにヒキガエルが出る、最後は不幸な死に方をする、とういう贈り物をもらってしまいます。
ある日娘は継母に命令をされ凍った川で糸を洗っていると王様が通りかかりお城に連れていかれお妃になります。男の子を産み幸せになったところに継母と実娘が会いにきて、妃を川へほうりこんでしまいますが、カモに変身してお城に現れます。王様に呪いを解いてもらい、継母と実娘は自分が選んだ刑罰で不幸な死に方をします。グリム童話らしい善良なものは報われ、怠け者や悪い心を持つものはひどい目に合うという教訓を含んでいます。このおはなしは長いのですが、善悪がはっきりしていて筋も起伏に富みたっぷりとグリムの世界がぎゅっと詰まっていてとても楽しめました。
休憩の後は、東京のてまり歌「一で糸屋のおまきさん」を皆さんと楽しみました。何度か聞いたことがある方もいて一緒に歌ってくださいました。いろとりどりの和紙の姉様人形がお正月らしく華やかだったことでした。
4つ目のおはなしは日本の昔話「おおかみの眉毛」です。
鍋洗いをしてその洗い汁を飲み飢えをしのいでいた男が、生きとる甲斐がなく狼に喰われて死んでしまおうとしますが、どの狼も食べようとしない。それは男が真人間だから。人間の本性がわかるという狼の眉毛を一本もらった男が、その眉毛で人を見ると 馬やら豚やらに見えて真人間はめったにいません。そこへやってきた金持ちの旦那が眉毛を通して男を見ると真人間だとわかり、男は金持ちの旦那の跡取りになって 一生ひもじい思いをすることはなかった、というおはなし。まじめな男が幸せになるおはなしでほっとしますが、狼の眉毛で本性が見えるって本当は怖いのでは・・・とちょっと思ってしまいました。短いお話ですが、語り手の淡々とした語りがより奥行きを感じさせていました。
5つ目のおはなしはイギリスのノーフォーク州に伝わる昔話「スワファムの行商人」です。
貧しい行商人が、夢のお告げを信じてロンドンの大きな橋まで行きうろうろしていると、ロンドン橋の店の主人に何の用があってきたのか尋ねられ、夢の話をするとバカにされてしまいます。店の主人もスワファムという知らない土地の夢を見て、それは果樹園のオークツリーの木の下に宝物が埋まっていた夢だった、わざわざそんな所までいかないよ、と言います。行商人は大喜びでスワファムに帰り、木の下を掘ってみると沢山の宝が埋まっていました。大金持ちになりましたが、廃墟となった教会堂を建て直しました。今でも犬を連れた行商人の石像がそこに立っているそうです。夢のお告げに導かれて大金持ちになる話は世界中にあるようです。日本でも「味噌買橋」は有名ですが、岐阜の先生が翻訳したものが広まったという事です。なるほど似ている訳ですね。不思議で面白いおはなしでみなさん集中して聞いていました。
最後のおはなしは「おばあさんが、羽ぶとんを手にいれたはなし」
アメリカの児童文学「あたまをつかった小さなおばあさん」のシリーズの1話。おばあさんのたった1枚しかない毛布が穴だらけになり、羽ふとんを買おうとしますが高くて買えません。そこでガチョウを12羽を飼い、羽をむしって布団を作ろうと考えます。そのために餌のとうもろこしを買って、大きく育てて、やっと羽が厚くなって羽ふとんがでできるくらいになったときに、おばあさんは羽をむしったらガチョウたちが寒くなるだろうと心配になります。そこで頭を使って毛布を切って12の赤い上着を作ります。
おばあさんは羽ふとんを手に入れ、ガチョウたちも暖かく冬を過ごせるようになり一件落着。”私はなんて賢いんだろう。これもぜんぶ頭を使ったおかげだよ”と大満足。えっガチョウ!餌がたいへん!と思わずクスッと笑ってしまうおはなしですが、何でも前向きに解決していくおばあさんに感心してしまいました。
全部で6話のおはなし、お客様もみなさん笑顔で楽しまれた様子でした。
☆プログラム☆
♪わらべ歌 「花づくし」
ねずみの婿取り -日本の昔話-
「ねずみのもちつき(日本の昔話5)」
おざわとしお再話 赤羽末吉画 福音館書店
夢見小僧 -日本の昔話-
「子どもに語る日本の昔話 1」稲田和子・筒井悦子著 こぐま社
森のなかの三人のこびと -グリムの昔話-
「おはなしのろうそく14」東京子ども図書館訳、刊
- 休憩 -
♪てまり歌「一で糸屋のおまきさん」
おおかみの眉毛 -日本の昔話-
「子どもに語る日本の昔話1」稲田和子・筒井悦子著 こぐま社
スワファムの行商人 -イギリスの昔話-
「かじ屋と妖精たち-イギリスの昔話-」(岩波少年文庫)
脇明子編訳 岩波書店
おばあさんが、はねぶとんを手に入れた話 -創作-
「あたまをつかった小さなおばあさん」
ホープ・ニューウェル作 松岡享子訳 山脇百合子画 福音館書店
次回の「大人のためのおはなし会」は、5月15日(金)予定です。
(次回予定の3月20日(金・祝)は、祝日で会場の「玉川ボランティアビューロー」が休館のため)



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