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大人のためのおはなし会第35回 2022年9月

 2022年9月16日(金)は、玉川ボランティアビューローにて「大人のためのおはなし会第35回」をいたしました。

 秋空に恵まれた良いお天気の中、8名のお客様においでいただきました。


 初めにマイヤース景子 先生から秋の七草のおはなしがありました。

 先生のご友人から「秋になり葛の花の香りがします」というお手紙が届いて、葛の香りって?そして、葛は秋の七草と気づいたそうです。

 春の七草は知っていても、秋の七草は以外と知られていないのでしょうか? 

 女郎花(おみなえし)、すすき、桔梗、撫子、藤袴、葛、萩

 秋の七草の覚え方は、一文字づつ取って、「おすきなふくは」。もう一つの覚え方は、すすきは 尾花ともいうので、「おおきなはかまはく」。

 七草に想いを馳せ、秋の訪れを感じるおはなしを楽しんでいただきました。


 日本の昔話「江戸のとうふじぞう」は、粋な江戸のお豆腐屋さんに。小さい小僧さんが毎日一丁豆腐を買いに来ます。でも売り上げの中に木の葉や小石や混ざっていて小僧さんが怪しいと考えた豆腐屋さんは包丁を掴んで追いかけます。そして切りつけ血の痕を辿るとお寺の地蔵さんの所へ。やわらかい豆腐を食べたいだろうと江戸っ子のお豆腐屋さんはお地蔵さんに豆腐を供えお店は繁盛した、というお話です。江戸言葉が小気味良く語られ、皆のお耳を引きつけました。

 イタリアの昔話「いうことをきかないうなぎ」は、籠いっぱいのうなぎを運ぶ漁師が運河を渡ろうとしていたら、運賃は1人頭5銭と知り高くつくのでうなぎを水に放し泳いで向こう岸まで渡らせようとするおはなし。向こう岸に渡った漁師は「こっちだよー早くおいでー」と、うなぎを呼びますが何日経ってもうなぎは来ませんでした、というクスッと笑ってしまうおはなしです。

 「旅人馬」は鹿児島喜介島の昔話。金持ちの子と貧乏人の子が旅に出て宿屋に泊まると夜中に宿の女がそーっと入って来て囲炉にもみ種を撒き穂が出て米にして餅を作った。眠れない貧乏人の子はそれを見ていたので食べないように金持ちの子に教えたが金持ちの子は食べてしまい馬に変えられてしまう。貧乏人の子は、お爺さんに知恵をもらって7つの実をつけたナスをやっと見つけて、馬に食べさせると元に戻り、金持ちの家から財産を半分もらいます。貧乏な子の金持ちの子に対する深い友情を感じるおはなしです。

 「證誠寺の狸ばやし」は、千葉の木更津に伝わるおはなし。證誠寺の和尚さんが夜中に目を覚ますと外から騒がしい音が。良く見ると大狸、子狸100匹が自分の腹を叩き踊っていて、和尚さんも楽しそうな様子につられて外に出て歌い出します。

♪「しょじょじのぺんぺこぺん、おいらのともだちゃどんどこどん」

 ついに大狸と和尚さんの激しい競争になり4日目に狸の腹の皮が破れてしまいます。歌がとてもリズミカルで楽しいおはなしです。

 「わらのうし」はウクライナの昔話。貧乏なおじいさんとおばあさんが横っ腹にタールを塗った藁で出来た牛を作り丘に置いておくと、犬に横っ腹を食いちぎられたくまやオオカミやキツネが次々とタールにくっついてしまうおはなし。命乞いをするクマはハチミツを、オオカミは羊を、キツネはニワトリやアヒルやガチョウを持ってきて二人は大喜び。「わらのうし」のおかげで幸せになったほのぼのとしたおはなしです。

 「天のかみさま金つなください」は山形の昔話を福島弁で語りました。おっかさんが町へ買い物に出かけ、家で三兄弟が留守番をすることになります。すると山姥が来て母さんのふりをして戸を叩きますが、がらがら声だったりもじゃもじゃ頭だったり手が違っていたりと三兄弟は見破ります。しかし山姥が声を良くする桑の実を食べたり、泥で頭を変えたり山芋を手に塗ったりしてついに三兄弟は騙されて戸を開けてしまいます。三郎は食べられてしまい一郎次郎は便所に行くふりをしてどうにか木によじ登り隠れますが見つかってしまい追いつかれそうに。その時天の神様に助けをお願いすると金の綱が天から降りてきて2人は助かります。山姥も真似をして金の綱を下ろしてもらい喜んでつかまりますが、手元でぷつんと切れ死んでしまいます。山姥の腹から三郎が出てきて三人で抱き合っているとおっかさんが帰ってきてみんなの頭を撫でてくれてめでたしめでたし。初めはオオカミと7匹の子やぎのようなおはなしですが、最後の絶体絶命のピンチに金の綱が下りてきてホッとするおはなしです。

 以上、ゆったりとした雰囲気の中、6つのおはなしを聴いていただきました。


プログラム☆


江戸のとうふじぞう -日本の昔話-

「子どもに聞かせる日本の民話」 大川悦生著 実業之日本社


いうことをきかないうなぎ -イタリアの昔話-

「おはなしのろうそく7」 松岡享子訳 東京子ども図書館


旅人馬 -日本の昔話-                          

「日本昔話百選」 稲田浩二,稲田和子編著 三省堂 


       - 休憩 -


證誠寺の狸ばやし -日本の昔話-竹之内幸子

「舌切りすずめ(語りつぎたい日本の昔話 7)」

小澤昔ばなし大学再話研究会再話 小澤俊夫監修 井上洋介絵 小峰書店


わらのうし -ウクライナの昔話-                     

同名絵本 内田莉莎子文 ワレンチン・ゴルディチューク絵 福音館書店 


天のかみさま金んつなください -日本の昔話-            

同名絵本 津谷タズ子再話 梶山俊夫画 福音館書店

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