中央図書館大人のためのおはなし会第27回 2019年8月
2019年8月16日(金)は、「世田谷区立中央図書館大人のためのおはなし会 第27回」が開かれました。
四国地方に台風上陸予報の日で、その影響で猛暑日になり、外気は、体温に近付く36℃越えの気温だったのではないでしょうか?
そんな中、12名の方々がお見えになりました。常連の方々、杉並からお出での方、初めて参加されたお二人もいらして、初めての「おはなし」の世界に魅了されたとのことで、次回も是非、聞きに来ます、と嬉しいことを言い残してくださいました。
お部屋は、今回は特別で、研修室「おおぐま」で、定員100名くらいの大きなお部屋でしたが、テーマの「宇宙」の切り紙細工や折り紙の太陽、月、星が、テーブルと背景のカーテンに飾りつけられ、小さな宇宙が出現しました。
始めは、マイヤース景子が、日本の宇宙工学の父と呼ばれる「糸川英夫博士」について話しました。博士は、戦後間もなく日本初のロケットを自力で打ち上げ、近年では、日本最新鋭の衛星ハヤブサが、ある惑星の土を採集する偉業を成し遂げましたが、その惑星に、博士の功績をたたえて「イトカワ」と命名されました。
また、宇宙の真理を請うためダライ・ラマ法王をインドのダラムサラに訪ねました。ラマ教や密教では、曼荼羅(まんだら)に宇宙が描かれています。物理学の世界では、いまだ宇宙の僅少差についての解明のため、ダライ・ラマ法王に教えを請う研究者が多いのです。博士の創刊した雑誌「オムニ」の創刊号にその記事が載っています。
博士は、そんな偉大な方なのですが、私たち家族が知っている姿は、娘たちと一緒にピアノを弾いたり、小さなプレゼントにも、次の日にはお礼のカードが届くと言った思いやりのある素敵な方でした。
皆さま、始まる時間より早くお集まりでしたので、♪手遊び「さかながはねてぴょん」と「たまごをぽーん」で楽しんでいただきました。
「北斗七星」は、猛暑日には、ぴったりのおはなし。日照りで、水不足。病気のお母さんのために、木の柄杓を持って、水を探しに出掛けた女の子。女の子が善行の度に、柄杓が銀に、金に、そして、その上でダイヤモンド7つが飛び跳ね、それが、空に昇って、北斗七星になりました。
「月をつろうとしたロー」は、太平洋の小島の住人は、月を自分たちの島に固定するため、魚獲り名人のローに釣り糸で捕まえてと頼むも失敗。それで、月は世界を回って照らすことが出来、島の住人たちは悔し紛れに月に向かって投げた泥は、今でも月の表面の点々になって残っていると言います。
「ヒマラヤのふえ」は、助けたお爺さんからの竹の笛の音色は、天の三つ星まで届き、その虜に。三つ星たちは、逃れるために吹いている男を蜂に変え、男の妻が夫を取り戻そうとして・・・。今でもヒマラヤの山々には、その音色が鳥たちの声となって響いているのです。
「二郎が山をかついで太陽を追う」は、かつて太陽は十もあって、二郎はそのうちの九つを射落とすも、残った一つの太陽が、二郎から逃げようと、数々の術を使うが、二郎は山を振り分けにかついで太陽を追い掛けます。太陽は、二郎の心根に感心して、一日一回、現れることになったと言う中国では、誰でも知っている伝説です。
「かぐや姫」は、皆さん、よくご存じの竹から生まれた「かぐや姫」が、結婚を願う若者たちに難問を出し、後、おじいさん、おばあさんに別れを告げ、天にもどっていくおはなし。いろいろある出典から、原作を損なうことなく、それでいて簡潔な絵本を選んで語りました。
ふた子の星(一)は、小さなお宮に住む双子の童子たちと星座たちの物語。童子たちは、夜になると星めぐり歌を銀笛で吹く役目を忠実に果たしています。夜空に輝く星座たちが、宮沢賢治ワールドの中で生き生きと語られる時、悠久の宇宙が広がりました。「星めくりの歌」も心地よい調べでした。
テーマ:宇宙(太陽・月・星)
☆プログラム☆
北斗七星 -創作-
「おはなしのろうそく25」トルストイ作 尾家順子訳 東京子ども図書館
月をつろうとしたロー -太平洋諸島の昔話-
「世界むかし話17 -太平洋諸島-」光吉夏弥訳 ほるぷ出版
ヒマラヤのふえ -インドの昔話-
同名絵本 A.ラマチャンドラン作 木島始訳 木城えほんの郷
-休憩-
二郎が山をかついで太陽を追う -中国の昔話-
「子どもに語る中国の昔話」 松瀬七織訳 湯沢朱実再話 こぐま社
かぐや姫 -日本の昔話-
同名絵本(新・講談社の絵本)千葉幹夫文・構成 講談社
ふた子の星(一) -創作-
「宮沢賢治童話全集2」新装版 ふた子の星 宮沢賢治著 岩崎書店
次回の「中央図書館大人のためのおはなし会」は、2019年10月18日(金)です。