大人のためのおはなし会 第26回 2020年1月
2020年1月17日(金)、初春の「大人のためのおはなし会 第26回」を玉川ボランテァビューローで開きました。6名のお客様が来て下さいました。早めにお越しいただいたので、♪手遊び「たまごをぽん」と「もちっこやいて」を一緒に楽しみました。
マイヤース景子先生の始めのご挨拶は、お正月らしく「おせち料理」の意味。もともと3月3日のひな祭りや、5月5日の端午の節句のように、1月1日のお節句の料理のことだそうです。一つ一つのお料理にも意味がありますが、「伊達巻き」は、かつての書物は巻物だったことから「学問や知識を深める」、他にも伊達者は、洒落者から「おしゃれをしましょう」という意味もあるそうです。
前半は、干支にちなんだ「ねずみ」の「おはなし」三つです。その中にチベットの「おはなし」がありますが、おはなしで出てくるチベットの白い布の「カター」を見せてくれました。チベットの人々は、人と会う時に、この布を首に掛けて敬意を表します。マイヤース先生は、そのカターをネパールのラマ教寺院で、手に入れたと言うことです。
そして、ラマ教の仏事で使われる「ティンシャ」と呼ばれる鐘を鳴らし、澄んだ音が余韻を響かす中、「おはなし」の世界が始まりました。
最初は、「だめといわれてひっこむな」。おじいさんのセーターを編んでいるおばあさんのところに、何度も質問にきた子ねずみが、最後に手に入れたものは?
「おそなえもち」は、いたち、ねこ、にわとり、ねずみが、屋根裏に「お供え餅」を飾ろうとしましたが、小さな手のネズミが取り損ね、いたちの頭の上に落としてしまいました。さて四匹はそれぞれに、福島弁で何と言ったでしょうか?
チベットの昔話「ネズミの大てがら」は、王さまとネズミの王様の「おはなし」。ネズミの王様が、王様にカターを捧げ、王様を感心させました。王様を助けたネズミの王様が、助けてもらったお返しに、洪水が起こらない堤防と、猫のいない国を手に入れるという小さいけれど大きい「おはなし」でした。
休憩の後は、東京の手玉歌で、「一で糸屋のおまきさん」の数え唄を皆さんと楽しみました。美しい千代紙の姉さん人形に合わせて十まで数え、後半が始まりました。
「むかでの酒買い」は、カエルとへビとムカデが、酒盛りをしようとムカデが酒を買いに行ったのに、百本の足に草履をはくのに手間取っていたという「おはなし」。
「ふゆがきた&はるがきた」は、石井桃子さんの絵本から「冬」と「春」を語り、懐かしく暖かい昔の農村の世界が広がりました。
最後の「すずめの恩返し」は、アイヌの昔話で、神様であるスズメが精神のいい娘の魂を魔物から取り戻す物語りで、スズメの視点から一人称で語られるのも新鮮でした。
いずれも心あたたまる「おはなし」をゆったりと聞き、「ティンシャ」の鐘の音でおはなし会を終わりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
☆プログラム☆
だめといわれてひっこむな -創作-
「おはなしのろうそく9 」アルフ・プロイセン作 瀬田貞二訳 東京子ども図書館
おそなえもち -日本の昔話-
「語れやまんば第1集」 藤田浩子再話 藤田浩子の語りを聞く会編・発行
ネズミの大てがら -チベットの昔話-
「おはなしのろうそく30」 光吉夏弥訳 東京子ども図書館
-休憩-
一で糸屋のおまきさん -江戸の手玉唄-
「おはなしのそうそく20」 東京子ども図書館
むかでの酒買い -日本の昔話-
「鬼とあんころもち(子どもに贈る昔ばなし14)
昔ばなし大学再話研究会再話 小澤俊夫編・監修 小澤昔ばなし研究所
ふゆがきた & はるがきた -創作-
絵本「やまのこどもたち」(岩波の子どもの本) 石井桃子著 岩波書店
すずめの恩返し -日本の昔話-
「さるかにがっせん」(日本の昔話4)小澤俊夫再話 赤羽末吉画 福音館書店
次回の「大人のためのおはなし会」は、2020年5月15日(金)予定です。