大人のためのおはなし会 第11回
2015年7月10日(金)は、「おはなしたまごの会」の「大人のためのおはなし会 第11回」でした。
前日まで、梅雨の長雨でしたが、当日は、澄みきった快晴の天気になりました。
大勢の方が、遠方からもお出でくださり、ありがたいことでした。
朝鮮の昔話の「ネギをうえた人」は、昔、人が牛に見えて、人間同士で食い合っていたそうです。 そんな世の中に失望した男が、旅に出て、人が人に見える所にたどりつき、「ネギ」の種を大事に持ち帰りました。そして、男は、「ネギ」の種を植えましたが・・・。
日本の昔話の「田の久」は、「 「田の久」と言う旅役者が、山奥で出会った「うわばみ」に、名前を「たぬき」と、聞き間違えられました。「たぬき」なら化けられるか?とのリクエストに、旅役者の「田の久」は? なんとか窮地を脱した「田の久」が、「怖い物」を教えると、「うわばみ」にも「怖い物」があったので・・・。
中国の昔話の「牛飼と織姫」は、中国に伝わる七夕の由来「織姫」伝説の一つ。「牛飼い」の飼っている牛が、「牛飼い」の幸せのために命を落とします。子どもを置いて、天に戻った「織姫」を追った「牛飼い」は、「織姫」の父と競争をしましたが、不注意のため負け、天の川の向こう側に。それで、今では、年に一度、かささぎの掛ける橋を渡って、「織姫」と子どもたちにあうのだそうです。
エリナ・ファージョン作の「小さいお嬢さまのバラ」は、 山の上のお屋敷の「小さいお譲さま」が、川に赤と白の2輪のバラの花を流すと、川下の村の子どものジョンとメアリーの兄妹が見つけます。そこから始まる「小さいお譲さま」と村の子どもたちとの出会い。色とりどりのバラの花や、その香りまで感じられる、清らかな「おはなし」です。
日本の昔話の「たこの足踊り」は、浜辺で寝ていたら、「サル」に足を1本、食われてしまった「たこ」。 次の日も「サル」はやってきて、食べようとすると、「たこ」は、残りの足でサルを締め上げます。なんとか逃れようと、「サル」は歌い出します。それから・・・。 「サル」の歌った調子の良い歌が、ずっと耳の奥で聞こえます。
「ラプンツェル」は、皆さん、良くご存知のグリムの昔話。小澤昔ばなし研究所再話版では、おかみさんが食べる葉っぱは、「ラプンツェル」。、これは、ドイツでは、その名前でサラダ菜として売られています。「ラプンツェル」は、魔女のことを、「ゴーテルおばさん」(フラオ・ゴーテル)と呼び、名付け親の意味だそうです。
9mの長さの髪を持つ「ラプンツェル」が、塔の下に髪を降ろす場面、荒れ野で歌う場面etc.、場面、場面が心に残る「おはなし」です。
日本の昔話の「弥三郎ばさ」は、福島の方言で語りました。
孫を可愛さ余って食ってしまった弥三郎のばさは、鬼婆になって弥彦山の藪に隠れてしまったそうな。
村のはずれに住み着いた男の子とその婆さま、鬼婆のいる山を越えてくれ、と用事を言いつけられて、男の子が山を越えていると・・・。婆さまの難を逃れる知恵と男の子の勇敢さで、鬼婆の心の奥に残る人への思いを呼び戻します。お終いは、幸せになる「おはなし」でした。
☆プログラム☆
ネギをうえた人 -朝鮮の昔話-
「ネギをうえた人」(岩波少年文庫) 金素雲編 岩波書店
田の久 -日本の昔話-
「子どもに語る日本の昔話 1」 稲田和子・筒井悦子著 こぐま社
牛飼と織姫 -中国の昔話-
「けものたちのないしょ話」君島久子訳編 岩波書店(岩波少年文庫)
小さいお嬢さまのバラ -創作-
「ムギと王さま」(ファージョン作品集3)エリナ・ファージョン著 石井桃子訳 岩波書店
-休憩-
たこの足踊り -日本の昔話-
「ぼたもちがえる(民話・食べものの話)」渋谷勲ぶん 北島新平え 芽ばえ社
ラプンツェル -グリムの昔話-
「グリム童話1」小澤昔ばなし研究所再話 小澤俊夫監訳 小峰書店
弥三郎ばさ -日本の昔話-
「日本の昔ばなし 3」松谷みよ子再話 講談社文庫
次回の「おはなしたまごの会」の「大人のためのおはなし会12回」は、
10月9日(金)10時30分~です。