大人のためのおはなし会 第18回 2017年5月
2017年5月19日(金)に「第18回大人のためのおはなし会」が、玉川ボランティアビューローで開かれました。
当日は週の初めの肌寒さと打って変わって、初夏の陽気になり汗ばむほどの気候になりました。
初めにマイヤース景子先生がこの季節で思い起こす「詩」を朗誦されました。
ひとつめ:イギリスの詩人ロバート・ブラウニングの詩 「春の朝(あした)」。 上田敏訳で『海潮音』収載。
「春の朝(あした)」 ロバート・ブラウニング作 上田敏訳
時は春
日は朝(あした)
朝(あした)は七時
片岡に露みちて
揚雲雀(あげひばり)なのりいで
蝸牛(かたつむり)枝に這ひ
神、そらに知ろしめす
すべて世は事も無し
この最後の一節は、モンゴメリの『赤毛のアン』の最後に引用されていますと、村岡花子訳での紹介がありました。そこではこのようになっています。「神は天にあり、世はすべてよし」
ふたつめ:工藤直子さんの詩集『のはらうた わっはっは』から、今日の「おはなし」小川未明作「野ばら」にちなんでの詩でした。
「ひろがるかおり」 のはらめぐみ作
あさつゆと ひかりをまぜて
うまれた かおり ふわり
はなびらの あいだから ひろがり
のはら いちめん うっとり
やさしくて さわやかな
いちにちの はじまり
『赤毛のアン』と言えば、日本では少女の頃だれもが読んだことのある本です。先生のお話を伺いながら、あの春の日、クスバート家に向かう馬車の中で、アンが「歓喜の白路」と呼んだ、雪のようなリンゴの花がさいた並木道を想像していました。
晩春にふさわしい先生のお話でした。
☆プログラム☆
犬と猫とうろこ玉 -日本の昔話-
「おはなしのろうそく15」 稲田和子再話 東京子ども図書館
野ばら -創作-
「赤いろうそくと人魚(少年少女日本文学館12)」 小川未明著 講談社
金のがちょう -グリムの昔話―
「金のがちょうのほん-四つのむかしばなし」
レズリー・ブルック文・画 瀬田貞二・松瀬七織訳 福音館書店
-休憩-
ネズミの大てがら -チベットの昔話-
「おはなしのろうそく30」 光吉夏弥訳 東京子ども図書館
くもんこの話 -創作-
「あまんきみこセレクション1」 あまんきみこ著 三省堂
かえるの王さま -グリムの昔話-
「グリム童話集1」(偕成社文庫) 矢崎源九郎訳 偕成社