中央図書館大人のためのおはなし会 第61回 2025年8月
- mslib2014
- 1 日前
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2025年8月15日(金)は、世田谷区立中央図書館「大人のためのおはなし会」でした。
30℃を超える猛暑のなか、初参加のかたを含め5名のお客様にお越しいただきました。
会場の世田谷区立中央図書館3階「ぎんが」は、カーテン越しに柔らかい日差しが広がり、今回のテーマ「面白いおはなし」にぴったり!の空間でした。
最初のおはなしは、日本の昔話「みょうが宿」。宿の主人が、旅人から預かった胴巻を何とか手に入れようと、物覚えが悪くなるというみょうがを使うことを思いつき、旅人にみょうが尽くしのご馳走をふるまいます。旅人は美味しいごちそうに大喜び!さて、その結末は…!?宿の主人の心情があれこれ移りゆくさまが面白く、クスクス笑ってしまいます。
ウイリアムズ作「スヌークスさん一家」は、家族が寝床のろうそく消しに奮闘するおはなしです。家族4人が順に消そうと試みるものの、息はあらぬ方向に…。たまたま通りかかったお巡りさんにろうそくを消してもらうのですが……!?吹く息の違いを見事に表現した語り手の技も相まって大きな笑いに包まれ、思わぬラストに笑いと軽いどよめきが広がりました。
「眠り王」はバルカンの昔話。王様が「イプノス」という眠りを意味する名前だったことから、貧しい娘が夜眠くなると「イプノス様」と語りかけて眠気を払っているさまを、なぜか王様が娘のもとを訪れている!と勘違いされ、接点のない王様と貧しい娘が繋がっていく不思議なおはなしです。突拍子もない娘の行動に楽しく愉快な気分に浸りながら、幸せな結末に心が和みました。
「やん七さん」は、祭りに招かれたやん七さんの楽しい初体験エピソードが満載の日本の昔話。例えば、初めて見た芋まんじゅうの食べ方がわからず、子どもが芋まんじゅうを投げ上げて食べている姿を見て、「こうするのか!」と真似するなど、まるで子供のような勘違いに笑いがあふれ、やん七さんの無邪気さと可愛さにほっこりしました。
トルコの昔話「スミレの葉にもきずつく娘よ」は、90歳の母親が70歳の娘のことを「スミレの葉でも傷つくくらいか弱いのだから」と評しているのを聞きつけた王様が、そういう娘ならきっと姿も美しいはず!と思い込み、花嫁に迎えたいと望んだことからはじまるおはなしです。70歳の花嫁…!?想像を超える展開に驚きながらも、ワクワク楽しい気分になりました。
最後は、沖縄の昔話「金門(かにじょう)の星」。貧しいおじいとおばあが金持ちになる方法を知りたいと旅を続けるうちに、人間に運定めの星をさずける神から、20年後にうまれる【金門まん】にさずける予定の一番運の良い星を借り、運が上向く様子を描いたおはなしです。おじいとおばあにもたらされた星との不思議な縁は、ほんわかと優しくて、気づくと笑顔になっていました。
テーマ:面白いおはなし
☆プログラム☆
みょうが宿 -日本の昔話-
「山を追われたくじら-民話・食べものの話-」
渋谷勲文 北島新平絵 芽ばえ社
スヌークスさん一家 -創作-
「おはなしのろうそく2」ウイリアムズ作 東京子ども図書館
眠り王 -バルカンの昔話-
「いちばんたいせつなもの-バルカンの昔話-」
八百板洋子編・訳 ルディ・スコチル画 福音館書店
やん七さん -日本の昔話-
「むかしむかし」
与田準一 川崎大治 松谷みよ子編著 童心社
スミレの葉にもきずつく娘よ -トルコの昔話-
「お月さまより美しい娘」(世界の昔ばなし14)
小山皓一郎編訳 山口みねやす絵 小峰書店
金(かに)門(じょう)の星 -沖縄の昔話-
「はなさかじい(日本の昔話1)」
おざわとしお再話 赤羽末吉画 福音館書店
次回は、2025年10月17日(金)の予定です。
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