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中央図書館 大人のためのおはなし会 第 33 回 2020 年 12 月

 2020 年12月18日(金)は、「世田谷区立中央図書館 大人のためのおはなし会 第 33 回」でした。

 中央図書館でのおはなし会はコロナ禍での中断をはさみ8月に再開することが出来ました。毎回開催出来る のかしらと、ヒヤヒヤしながらの準備でしたが、10月、12 月と回を重ねることができました。

 今日は、12月の定番「クリスマス・年の瀬・お正月」がテーマでした。

 まず、マイヤース景子先生が、「日本民話の会」のオンライン講座で視聴された樋口淳氏の講演のお話しをされました。

 同氏が翻訳した 『サンタクロース伝説の誕生』から、サンタクロースは4世紀ころ小アジア(現在のトルコ)に居た教父聖ニコラウス伝説が起源であること、それが民族や宗教が混ざり合いながら伝播していったこと、ヨーロッパへはオランダを窓口に広まって行き、今のようなサンタクロースになったこと等々を話して下さいました。

 また、オランダと言えば直ぐにチューリップを想い起しますが、チューリップはトルコ原産で国花にもなっていますので、サンタクロースと同じような伝播があったのでしょうか、と素敵な想像にお話しが膨らみました。


 「びんぼう神と福の神」は、出ていこうとする貧乏神を、働き者の夫婦が引き留めてもてなし、福の神の方が退散するというユニークな展開の愉しいおはなしでした。

 「だれが鐘をならしたか」は、ペドロと弟の真心のこもった捧げものを、イエス様は本当に価値あるものとお喜びになられ、鐘をならされたのです。この時期によく語られる「おはなし」ですが、何度聞いても 心暖まる、素晴らしい余韻のある作品です。

 「鳥呑爺」は小鳥の歌の繰り返しが楽しく、お爺さんの行動も素直で心地よいおはなしでした。

 「久野原のきつね」は、人が好い八兵衛さんときつね(娘)のやり取りが楽しいです。 地元の再話研究会による再話なので、具体的な地名が出てきて伝説に近いおはなしです。昔は狐 や狸にばかされた話が、あちこちにあったのでしょうね。

 「青い鳥」は、元々戯曲として書かれた作品です。それを構成し直して約 25 分のおはなしに凝縮して語りました。 チルチルとミチルは、魔法使いの病気の娘のために青い鳥を探しに出掛けます。緑色の帽子に付 いたダイヤモンドを回して「木こりの家」「思い出の国」「夜の御殿」「幸福の国」「未来の国」を巡り、目に見るもの、見えないもの達とも会話しながらさまざまな経験をして、自分にとって大切な ものに気付いていきます。

 青い鳥は家にいて、この旅は夢の中で起こったことと分かりますが、その中で得た経験はチルチルの心に残り、直ぐに目覚めた朝の行動に反映されます。沢山の印象深い 場面や言葉があるおはなしでした。

 今日は予定のプログラムを変更して、クリスマスの手遊びを2つ加えました。 厳しい寒さの中、足をお運びくださいました8名の皆様に感謝申し上げます。

 お土産に折り紙の ベル、切り紙の雪の結晶をお持ち帰りいただきました。


テーマ: クリスマス・年の瀬・お正月

 

☆プログラム☆


♪手遊び もうすぐクリスマス

      三根政信作詞・作曲

 びんぼう神と福の神 -日本の昔話-                    

     「新訂・子どもに聞かせる日本の民話」 大川悦生著 実業之日本社

 だれが鐘をならしたか -創作-                   

     「クリスマス物語集」 オールデン作 中村妙子編訳 偕成社


         -休憩-


 ♪手遊び ひげじいさん -クリスマスバージョン-

  鳥呑爺 -日本の昔話-                          

     「日本昔話百選」 稲田浩二・稲田和子編著 講談社

  久野原のきつね -日本の昔話-              

     「千葉わらい」(子どもに贈る昔ばなし5) 

       南総昔ばなし大学再話コース編 小澤俊夫監修 小澤昔ばなし研究所

  青い鳥 -創作-                             

     「青い鳥」(青い鳥文庫) メーテルリンク作 江國香織訳 高野文子絵 講談社 


                   次回は、2021年2月19日(金)の予定です。


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