大人のためのおはなし会 第14回 2016年4月
2016年4月8日(金)は、大人のためのおはなし会 第14回でした。花冷えに救われ、お花見がもう少し楽しめるという日和になりました。遠方より足を運んでくださった方もおられました、感謝申し上げます。
初めに桜の旧字「櫻」の文字の成り立ちについてマイヤース景子先生がお話しました。
漢字の「櫻」は、編(へん)は、木で旁(つくり)は、嬰(みどりご)です。嬰の意味は、小さくて、守らなくてはならないもの。上の貝二つと下の女の表わす意味は、かつて貨幣が貝だった頃、女性の財産は耳につけていた二つの貝(イヤリング)ともう一つは、子ども=守らなければならない嬰(みどりご)と言われています。その嬰に木が付き、櫻=守らなけらばならない樹木、日本の国花になりました。花といれば桜、こんなに愛される花はありません。
今では、日本だけではなく、世界各国で愛されています。有名なものは、アメリカ、ワシントンDCポトマック河畔の桜です。
最初のおはなし「きつねの桜かんざし」は、人里への強い憧れを持つ子ぎつねのおこん、母ギツネの助けでその願いは叶いますが、宿の夫婦に可愛いがられ楽しい日々を送るおこんにとって、悲しい結末が待っていました。
「くんちゃんのはじめてのがっこう」は、入学するこぐまのくんんちゃんの、喜び、不安、期待、社会生活への学びが語られました。くんちゃんの、のびのびとした学校生活を思わず想像してしまいます。
「チモとかしこいおひめさま」は、あらゆる言葉を話すことができる高慢なおひめさまに、羊飼いのチモが、本当の知恵とは、世の中には自分の知らないことがあるということを知ることだと教えました。さて、どうやって教えたのでしょうか。
「くしゃみくしゃみ天のめぐみ」は、くしゃみがきっかけで、みんなが幸せになると言う、とても楽しいおはなしです。
「つるのよめさま」 だれもが聞いたことのある、こころに沁みる余韻のあるおはなしです。
「白い石のカヌー」は、北米の先住民族の伝説に基づくおはなしです。婚約者を亡くした若者が言い伝えを辿って娘を追って旅をします。白い石のカヌーで湖を渡り霊の国に行くのですが、果たして石のカヌーが浮くのでしょうか、そして若者はどうなるのでしょうか。
「花咲かじい」よく知っているおはなしですが、再話者によって少しずつ違うおはなしになります。今日のおはなしは子犬が赤い小箱に入って川を流れて爺と婆のところに来ます。そして爺婆と会話するときは“クンクンクン”と鼻を3回鳴らします、これが可愛いのです。その後は皆さんのお馴染みの話が展開します。
今日のおはなし会は桜に始まり、満開の桜でのしめくくりになりました。
☆プログラム☆
きつねのさくらかんざし -日本の昔話-
「女(おなご)むかし」-君川みち子再話集- ほおずきの会編・出版
くんちゃんのはじめてのがっこう -創作-
同名絵本 ドロシー・マリノさく まさきるりこやく ペンギン社
チモとかしこいおひめさま -フィンランドの昔話-
「おはなしのろうそく14」 東京子ども図書館訳・出版
くしゃみくしゃみ天のめぐみ -創作-
「くしゃみくしゃみ天のめぐみ」 松岡享子著 福音館書店
-休憩-
うさぎのくれたバレエシューズ -創作-
同名絵本 安房直子文 南塚直子絵 小峰書店
白い石のカヌー -アメリカの昔話-
「アメリカのむかし話」(偕成社文庫) 渡辺茂男編訳 偕成社.
花咲かじい -日本の昔話-
「子どもに語る日本の昔話2」 稲田和子・筒井悦子著 こぐま社
次回は2016年7月8日(金)の予定です。