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大人のためのおはなし会 第48回 -夏- 2025年7月

  • mslib2014
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

 2025年7月18日(金)は、玉川ボランティアビューローでの「大人のためのおはなし会 第48回―夏―」でした。

 猛暑が続く中、7名のお客様がお出で下さいました。「玉川ボランティアビューロー・ボランティアだより」に載ったおはなし会の案内をみて参加して下さった方や、初めての方もいました。それで、代表のマイヤース景子が最初のあいさつで、「おはなしたまごの会」やストーリーテリングのご案内をしました。

 おはなしの最初は、「蚊になった英雄」。アイヌの珍しいお話です。蚊の王様の娘に好かれて、蚊の大群に血を吸わせ、魂を抜きとられて蚊になってしまった英雄。妻の所に飛んできて訳を話し、子どもを頼むと大粒の涙をポロリ。聴いている人はどんな蚊をイメージしたのでしょう。

 「やきもち和尚」。むかしある寺に和尚さんと小僧さんがいました。和尚さんはもらったモチを一人で食べようと、小僧さんに用事を頼んだり、早く寝せたり。でも和尚さんの先を行く小僧さん。二人のやり取りを聞いて、思わずクスクス、ウフフと、楽しみました。笑い声も聞こえてきました。

 「ガチョウ番の娘」。遠い国の王子のところへお輿入れの旅をする王女と腰元。悪い腰元は王女と入れ替わり、まんまと王子をだまし、王女はガチョウ番に。それを見抜いていく王様。口をきく馬が殺されその首が門に釘付けされり、腰元の最後の裁きなど、ちょっとビックリしながらスケールの大きいおはなしの世界に引き込まれました。

 「梅干たぬき」。梅干し大好きな狸は娘にばけて、お茶堂の梅干しをすぐに食べてしまいます。おばあさんからその話を聞いたお遍路さん。「ワシハ ヤシマノ ハゲダヌキ」と狸を梅干しに化けさせ、パクリ。最後の落ちもあって、ユーモラスな語りに心が和みました。

 「天から落ちた源五郎」はウチワを拾った源五郎が娘や自分の鼻を伸ばしたり縮めたり。天まで届いた鼻のおかげで雷様の手伝いをしてうかれて、天から落ちた先は近江の国の琵琶湖。ゲンゴロウブナになったそうで、活力にあふれ暮らしを楽しむ源五郎の姿が軽妙な語りから伝わりました。

 最後は創作「ジムのたんじょう日」。街角のみかん箱の上に座っているジム。語り手のていねいな語り口で、街の様子やジムの風貌などが立ち上がってきます。80歳の誕生日を迎えるジムと8歳のデリーが重ねてきた年月、船乗り時代のジムの今、と時間までが立ち上がり、ジムとデリーのこまやかな交流が聞く者の胸を打ち、感動しました。この語りに出会えたことに感謝です。


☆プログラム☆                             

蚊になった英雄 -アイヌの昔話-

「更科源蔵アイヌ関係著作集Ⅱアイヌ民話集」

更科源蔵著 みやま書房

 

やきもち和尚 -日本の昔話-

「はなさかじい(日本の昔話1)」

おざわとしお再話 赤羽末吉画 福音館書店

 

ガチョウ番の娘 -グリムの昔話-

「おはなしのろうそく3」 東京子ども図書館編・発行

                              

        - 休憩 -

 

梅干し狸 -伊予の伝説-

「松谷みよ子の本9 -伝説・神話-」松谷みよ子著 講談社 

 

天から落ちた源五郎 -日本の昔話-

  「わたしの昔かたり」 宮川ひろ作 童話屋

 

ジムのたんじょう日 -創作-

「町かどのジム」 エリノア・ファージョン文 松岡享子訳 童話館出版


次回は、2025年11月21日(金)の予定です。

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