中央図書館「大人のためのおはなし会第22回」2018年10月
2018年10月19日(金)は、世田谷区立中央図書館おはなしのへやで、「大人のためのおはなし会第22回」でした。いつもは、子どもたちがじゅうたんの上での「おはなし会」ですが、大人の方たちのために、小さなボックス型の椅子を出して、腰掛けていただきました。
ご挨拶は、マイヤース景子が、今回のテーマの植物に関して話しました。日本原産の植物って何がありますか? わさび、ウド、山芋(自然薯)、みょうが、せり等があります。蕎麦もそうかと思いましたが、実は他の国でも栽培されているのです。中国、韓国、ネパール、ロシア(シベリア)、カナダ、フランス等です。乾燥した気温の高くないところで成長するのだそうです。
平成4年に、「第1回世界そば博覧会」が富山県利賀村(現南栃市)で開催されました。日本のそばの花は白いのですが、ネパールでは赤いのだそうです。
そんな蕎麦つながりで、ネパールのトクチェ村と姉妹村になった利賀村を訪ねて来ました。そこには、トクチェ村で信仰されているラマ教の寺院やその内部に描かれたそれは大きなタンカ(密教の仏画)で、ネパールワールドが広がっていました。「瞑想の郷」と呼ばれているところです。ネパールの仏師が、何年も滞在して描き上げたそうです。
そこで、手に入れたテンシャ(チベット僧が読経の折に使用)と呼ばれる鈴を鳴らして、「おはなし会」は始まりました。天上から降りて来るよう細やかな透き通った音が響き、長く余韻が残りました。
「頭に柿の木」は、栃木弁で語りました。怠け者の男の頭に柿の木が生えて実がなって、その後からは、キノコ、魚、米が採れるようになり、米の世話している内に働き者になり、めでたしめでたし。軽快な栃木弁が、ユーモラスがおはなしにピッタリで、皆で大笑いしました。
「チャールズと松ぼっくり」は、何でも集めるのが好きなチャールズが、松ぼっくりをおばあちゃん特製の袋に集めます。袋いっぱい集めた松ぼっくりをどうしたと思いますか?
「一房の葡萄」は、絵の具を盗んでしまった少年の心模様と担任の女教師の思いが心に染みる「おはなし」。参加者のお一人は、小学校時代に担任の先生が朗読して下さったの思い出して涙されていました。「ブドウの藍色」が、いつまでも心に残りました。
♪わらべ歌「柿、柿、なんぼ 柿、なんぼ」は、5人がペープサートで演じました。5つの柿を歌と一緒に出して、客が食べた後には隠します。5人の客が柿を食べ終わって、「ご馳走さまでした。」
「狩人と花の精」は、モンゴルのおはなし。天上の花の精が、真っ赤なゆりの花になって地上に降り、そのゆりの花を根こと持って帰った優しい一人ぼっちの狩人のお嫁さんになり、二人は幸せに暮らすハッピーエンドの「おはなし」でした。
「いばら姫」は、誰でも良く知っているグリムの昔話。不思議な力を持った女の呪いで、深い眠りに落ちてしまった姫。眠りは城中に広がりいばらが城をおおいます。そして百年の時が過ぎ、一人の王子が姫の眠りを覚まします。眠りが広がって、すべての生き物や物が静かになっていく姿と、そして、王さまもお妃も家来も、馬も犬も、台所の火も料理人もすべてのものが、眠りから目覚めていく様子が目に浮かびました。
そして、姫と王子は死ぬまで、幸せに暮らしました。
テーマ:植物
☆プログラム☆
頭に柿の木 -日本の昔話-
「頭に柿の木」 語り手たちの会・大島広志編著 語り手たちの会
チャールズと松ぼっくり -創作-
「チャールズのおはなし」 ルース・エインズワースさく 上條由美子やく 菊池恭子え 福音館書店
一房の葡萄 -創作-
「一房の葡萄」(岩波文庫)有島武郎著 岩波書店
-休憩-
♪わらべ歌「柿、柿、なんぼ 柿、なんぼ」
狩人と花の精 -モンゴルの昔話-
「子どもに語るモンゴルの昔話」 蓮見治雄訳・再話 平田恵美子再話 こぐま社
いばら姫 -グリムの昔話-
「子どもに語るグリムの昔話6」 佐々梨代子・野村泫訳 こぐま社
次回は2018年12月21日(金)の予定です。