中央図書館大人のためのおはなし会 -第41回- 2022年4月
2022年4月15日(金)は、「世田谷区立中央図書館大人のためのおはなし会 第41回」でした。前回までの大きな研修室ではなく、小さな「おはなしのへや」で開かれました。
肌寒い雨のなか、いつも聞いて下さる方、「おはなし会」を探して、長野から参加して下さった方など、6名のお客様がお出でくださいました。
今年より、会場が「おはなしのへや」に変更になったことと、コロ禍による人数制限で、2人が語る二人語りに取り組みました。2月の回は、まん延防止中だったためZOOMミーティングで会員だけで行いました。久しぶりにお客様を前にした本格的な二人語りになりました。
最初は、元気でいたずらなウサギ、「チム・ラビットみつばちをかう」。
「ウサギはハチを飼うものではありません」とおかあさんや、かえるなどに言われても「でもこのウサギは飼いたいんだ」と自分で巣を作り、四苦八苦してハチを捕まえます。小さいけれど意志を貫くウサギに思わず笑顔になって拍手でした。
語り手が代って『だんまりくらべ』はトルコの昔話で、ホジャという男の笑い話です。
ホジャとおかみさん、先にしゃべった方がロバに餌をやるというだんまりくらべ。泥棒にターバンまで取られてもホジャはだんまりを貫きます。隣の息子がスープをホジャの頭の上に・・・。さて、さて! 奇想天外の「おはなし」の展開に大笑いしました。
楽しい「おはなし」2話の前半が終わると、うさぎの手袋人形2体が登場でした。カスタネットのリズムに乗って、「はるがきたよ」と、歌って踊って知らせてくれました。
ほっと一息ついて後半です。『おいとちゃん』は息子が小さかった時も、大きくなって大人になっても、息子にダブダブのセーターを編みます。「セーターはダブダブがいいよ」と、セーターを編むお糸ちゃんの編み棒の先、一目一目に母の愛がこぼれ落ちる心暖まる「おはなし」でした。
最後の『やまなし』は、「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です」で始まります。
2匹のカニの子どもが川底で見たものが語られていきます。光や泡、魚や鳥、樺の花ややまなし・・・。すべてが驚きと美しさに包まれた世界へ聞く者を誘ってくれました。
お終いのご挨拶は宮澤賢治の言葉から。
「わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。」
これは、語る者たちの願いでもあります。少人数でゆったりと、聞き手の心に響け!と二人語りをお届けしました。どうぞ次回もお出掛け下さい。
☆プログラム☆
チム・ラビットみつばちをかう -創作-
「チム・ラビットのおともだち」
A・アトリー作 石井桃子訳
中川宗弥画 童心社
だんまりくらべ -トルコの昔話-
「子どもに語るトルコの昔話」
児島満子 編、訳 こぐま社
詩&手袋人形 たっぷたんたん
「のはらうたⅣ」
うさぎふたご・工藤直子作 童話屋
おいとちゃん -創作-
「角野栄子の毎日いろいろ」
角野栄子著 KADOKAWA
やまなし -創作-
「宮沢賢治童話全集2 ふた子の星 新装版」
宮沢賢治著 宮沢清六 堀尾青史編集
岩崎書店
次回は、2022年6月17日(金)予定です。
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